チベット旅行記その5〜ジョカン寺とラサ市内

ラサ駅から市内のホテルに移動し、一息ついて、寝床についたら二日酔とインフルエンザなどの高熱時に来るような頭痛のコンボをくらい、意識朦朧状態となる。高山病の典型的症例だ。ロキソニンと風邪薬を投入して変な夢見ながらのたうち回り、翌朝8時くらいに外の物音で目をさましたときにはちょっと飲み過ぎた日の翌日くらいになっていたので一安心。宿酔いした日の朝のような気分ながらも熱もなくインフルエンザにかかったのは夢の中だけだったようなので行動開始。
 朝飯は食欲湧かずパン1枚と付け合わせの野菜と珈琲。その後拉薩滞在中に行きたい場所をリストアップしてガイドと落ち合ってから今日以降の日程を検討。今日はジョカン寺とその周辺を歩き回ることにして、Lonely Planetおすすめのルートを中心に回ることとし、2日目はポタラ宮と問答で有名な寺院のセラ寺、3日目はデプン寺、ダライ・ラマの夏の離宮ノルブリンカとチベット博物館、4日目の上海行きフライト前にラモチェ寺他を回ることにした。ガンデン寺にも行きたかったのだが、私の許可証ではいけないとのことで残念。
 ということで、ラサ市内の散策を開始。ジョカン寺を囲むバルコールという回廊を巡り、いろいろなものが売っている商店街を抜け、Gyume Tratsang、尼寺のLhasa Tshamkhung Nunneryへ。ここの茶室で名物?のミルクティーをいただいて小休止、2.5元で500ml位とたっぷりだがチベット人的にはもっと大きいサイズを頼むのが普通だと。Meru Serpa Monastery、Karshamar Temple、South Sanyu Temple、Budan Khang Sar、Nup Rig Sum Liu/Rabsel Tsenkhang(ここでは公安がパスポートチェックしていた。ガイドも五体投地で祈っていたから大事なお寺か)。この辺でお腹が空いたのでチベット料理のお店でチベット風の麺をいただく。ヤクの肉ベースのつゆに沖縄そば的な麺、具材はヤクの肉。小さいサイズの麺2名分とミルクティーで15元。現地の人じゃないと分からないような場所でのお昼。中庭ではパラボラアンテナみたいな太陽熱湯沸器が数台フル稼働。
 お昼の後は拉薩のご本尊とも言えるジョカン寺へ。タクシーに乗っても「拉薩」と告げるとジョカン寺の近くまで連れてこられるとか。午前中は巡礼者用、午後が一般見学者用となっており、一般見学者の時間中は巡礼者専用場所には入れないようになっている。ここの屋上からの拉薩そしてポタラ宮の光景は見事です。

翌日以降に行ったポタラ宮、セラ寺などもまとめたYouTube

 ラサ市内は治安が悪い場所ではないのだが、デモ活動などを抑制しようとしているのか軍と公安(警察)の姿が本当に目立つ。消防も軍や公安同様の威圧組織の役割を果たしているのかあちこちにいる。寺院などの施設はもちろん、あらゆる辻に軍か警察がうろうろしていて、屋内外もあちこちに監視カメラ。誰かがロンドンは世界一監視カメラが多い都市と言っていたが、ラサはその密度では世界一かもしれない。そしてラサ中心部では建物の上から監視してる輩も。軍の兵隊はもちろん銃持ってるし、警察もライフルを背中に抱えている輩が居たりする力尽くで押さえ込もうという姿勢が感じられる。更に軍や警察が寺院の入り口で寝そべっていたりと、宗教心ある人間から見れば冒涜の態度そのもの。「宗教は毒」国家の下僕どもが、と。
 滞在中に行った観光地でも何度かライフルを抱えた「公安」にパスポートチェックを求められるが、この対応のレベル差がどうしょうもない。きっちりパスポート番号とか記録する奴もいれば、パスポート見せても肝心の写真と名前のところ見ずに返す奴とかいる。まあ、あれだけの組織に徹底させるのは大変だろう。公安、軍、消防は明らかにチベット族ではないと思われる人たちがほとんど。

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2012年06月22日

中国における諸々の制約

グーグルアースなどで何でも分かっちゃう世の中ではあるものの、「金盾」みたいなものもある中国は日本とは違う。

GPSの利用

チベット鉄道もどこを走っているのか位置を知りたくて、ハンディGPSで位置捕捉しようとするも、ガラスのコーティング?がGPSの電波を遮断しているのか全く電波が捕捉できませんでした。結局利用をあきらめたがこれ正解。中国国内でGPSを使って測位すると測量法違反になるとのこと。詳しくはこちら(外務省海外安全ホームページ)参照。以下に該当部分を引用。中国に行く方はご注意を。

(4)国内を巡る
(略)
 ○中露国境に近い辺境地域を自転車旅行。現地の地理には詳しくないが、GPSを持ってきたから迷うはずはない。今夜の宿は国境にほど近い新疆ウイグル自治区の小さな町。異国情緒たっぷりで大満足。夜、宿のドアをノックする音。開けてみると、国土資源局から来たと言う人々。 その後、突然身柄を拘束され・・・これは、GPSの使用を見とがめられた旅行者の失敗例。その後、この旅行者は、「測量機器」の無許可使用により測量法違反で逮捕され、長期間取調べを受けた後、GPS機器や地図等を没収されたほか、罰金数万元の支払いと強制退去を命じられた。

また、ここ(パナソニックのGPS付カメラの紹介ページ)をみると、

※1 中国および中国と隣接する周辺国の国境付近でGPSが働かない場合があります(2010年2月現在)。

との情報もあり、韓国が北朝鮮によると言うGPS電波のジャミングで飛行機の運航に支障を来したり、イランがアメリカの無人機をGPS電波の擬装で自国内に着陸させて捕獲した事実なども考えると、中国も何らかの形でGPS電波の妨害をしているのかもしれません。

撮影禁止なものの存在
 ラサでガイドに言われた撮影禁止のものとしては「公安(警官)」「軍人」「軍事施設」。この「公安」と「軍人」がラサの街にはとにかく多い。あちこちうろうろしているし、広場に面する屋根の上から銃を構えている軍人も居る。別に治安が悪いわけではなく、何らかの抗議活動が起こったときに備えた示威のためだと思う。
 また、一般的に中国では橋やトンネルは撮影禁止と言われるが、上海からラサまでの車中で写真や動画を撮るには何も言われず。ちなみに車内には「Police」って腕章つけた職員が乗っていたが、何も言われず。

ネット利用上の制約は「チベット旅行〜現地での通信環境など」に書きました。

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2012年04月10日

チベット旅行記その4〜青蔵鉄道・車中の過ごし方

車内用スリッパ
軟座寝台にはスリッパが提供され、長時間停車する駅で外に出るとき以外は車内ではほとんどこれ履いて移動。4色違いのがおいてあるので間違えないで済むのは意外な工夫。

携帯電話の利用状況
周りの中国人の様子を見ると、中国移動(China Mobile)はほぼ問題なさそう。チベット高原でも鉄道沿線沿いにでかでかと社名入りの鉄塔立てており無人地帯走行中でも通じている様子。一方、ソフトバンクのデータローミング使い放題プラン提携先の中国連通(China Unicom)は都市部では問題無いが、人口過疎エリアや無人地帯になると駅に停車中でないと難しい感じ。

車内の電源
硬座寝台と軟座寝台にはテーブルの下に日本型のコンセントと中国型?(3つ穴)のコンセントがあり、廊下のイスとイスの間にも同様のコンセントがあり、乗車中の電源確保は可能。電化区間は電気機関車から、非電化区間は電源車から電源供給している様子。軟座寝台の場合は4人で共用なので仲良く使いましょう(笑)。供給される電力は200Vなので対応してない機器をつながないよう要注意。コード長さ2m位のテーブルタップ持っていくと上段ベッドまで電源引けるので便利で、手持ちの125V/10Aの日本仕様のテーブルタップでも問題ありませんでした。

寝台は上下段どちらを取るべきか
料金的には下段より上段の方が若干安い。昼間座って景色を見たいなら下段を取るべき。上段だと寝っ転がらないと景色を見るのは難しい。上段を取ったのは、下段だと上段の客に昼間は座られてしまうという情報があったが、以外にそういうことはなく、昼間景色を見ること考えると軟座寝台を利用するなら下段を確保した方が良かったかもと思った。ただし硬座寝台(3段ベッド)だときついかも。ちなみに硬座寝台だと廊下側の座席にテーブルとかもあるのでこの点は軟座寝台より便利。

車内空調など
車内は22−3度くらいに保たれて快適。また、青蔵鉄道の最高所5,072mでは酸素分圧(単位当たりの酸素量)は地上0mの半分なので、高地走行中はこちらでも書いたように、酸素濃度の高い空気が車内に供給され、車内の酸素濃度は24%くらいになっている(地上0mは21%。高所障害や高山病についての情報はこちら)。さらにそれでも苦しい場合に備え、寝台の頭の部分と廊下にはもう少し酸素濃度の濃い空気をマスクを通じて供給するためのプラグがある。ここから40%くらいの濃度の酸素を供給するらしい。事前の情報ではこのためのマスクと接続用のチューブが配られるとのことだったが、実際には配られなかった。で、このプラグ(供給口)を指で押し込むと酸素濃度の濃い空気が出てくるのでゴルムドから先はだしっぱなしにしてました。車両の端にある制御ユニットに現在標高が出てるので時々見てましたが、これ車両によりかなりいい加減で、下手すると1000mくらいの違い平気である。Siemensのライセンスによる中国製の様子。

高度差対策
標高が高くなると気圧も下がるのでお菓子の袋とかパンパンにふくれるが、5000m突破でも破れることはなかった。要注意なのが液体のチューブや瓶。スキンケア用品とか、念のために持って行った小さいボトルのシャンプーとかで一度でも開封していたものは標高高いところで見事に漏れた。日焼け止めのちょっと大きめな入れ物は無事だった。搭乗前の保安検査でジップロックの袋に入れると思うけど、そのままジップロックに入れたまま持って行った方が良いかと思う。

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2012年04月06日

チベット旅行記その3〜凍てつく大地を走る青蔵鉄道

上海→ラサの旅、車窓の景色を編集してYouTubeに載せたもの。HDなのでフルスクリーンでどうぞ↓

 車中3日目の朝、ほぼ定刻に暗闇のゴルムド駅着。停車前に見た車内の電光掲示板の外気温は−13度を示しており、デッキのドアの内側の結露はかちんかちんに凍ってる状態。ここからがいわば青蔵鉄道としての起点。機関車もチベット高原専用の高出力機に交換する。見たいので先頭まで行くが切り離す場面は撮れるものの連結シーンは蘭州同様「戻れ」の指示でダメ。非電化区間故気がついたら電源車も連結されていた(この中にオペレーターと思わしき人がいたのには少々驚く。自動化より人海戦術の方が安い?)。遅れもすっかり回復してほぼ定刻にゴルムド発。日の出まで数時間あるので一眠り。
 日の出のタイミングに目がさめ、チベット高原での日の出を見る。デジカメのExifデータをみると日の出は8:40頃と思われる。その後タングラ峠という鉄道世界最高地点(5,072m)と世界最高所のタングラ駅を通過。タングラ峠には線路沿いに鉄道世界最高地点を示す石碑が建っているのだが、観光列車なのにそのアナウンスすらない。。。さらには、GPSが使えないので現在位置すら確認できず「ああ、あれじゃん」と見ただけで終わり。その後は人生2回目の5000m超(1回目は21年前のボリビアにて5400m)、しかも今回は鉄道でいきなり上がってきたこともあり頭痛がひどくなり意識も朦朧としてきたので、寝床に戻りロキソニン飲んで数時間就寝。回復後に本読んだりしながら撮影。
 よくまあこんなところに鉄道引いたわ(一体何人犠牲になったのだろうか。公式には工事による死亡者はいないというが)、いや、それ以前に人間よくこんなところに生きてきたわ。数キロおきにある見張り小屋みたいなものや歩哨みたいにいる輩は何のためにいるのかとか、いろいろな考えが脳裏を巡る。ま、おそらくこれは共産主義中国ならではの偉業であろうと自己完結する。
 単線なので途中何度か上り列車との交換もあり停車するがドアは開けてくれない。そして全線禁煙のはずなのだがデッキやら食堂車でタバコすいまくる中国人。。。この列車は高所走行中、空気の酸素濃度を平地より高めて供給することで、5,000m付近でも3,000mレベルの酸素量を確保するようにしているらしい(飛行機並みに与圧されていると言う説も聞いたが客車の連結部の構造見る限り無理と思う)。酸素濃度高いからタバコ吸うの危険な環境なのだけど。。。
 20分停車でホームにも降りれる那曲(ナクチュ)にて下車して機関車撮影に。NJ2型というGE製のチベット高原区間専用機関車の重連。とはいえここでも10分くらいすると車内に戻れ号令がだされ、標高4500mでのダッシュを余儀なくされる。機関車2両+電源車1両、1両の長さは新幹線と同じくらいの25mなので一番近い客車までは約80mは結構しんどい。
 車中で起きている間は「景色見る」「写真や動画を撮る」「本を読む」「車内をウロウロする」「お茶飲む」「電波入ったらツイッターかFourSquareで呟く」の繰り返しだが以外に飽きなかった。ラサに近づくにつれてかちんかちんに凍っていた川や湖も水が流れ出し、だんだん雪山の姿も消える。時折この鉄道ができるまで唯一の陸路であった青蔵公路が左右に見え、ふと見ると五体投地で祈りを捧げながらラサまで向かう巡礼者の姿も(この時期はチベット正月前なので少ないらしい)。
 拉薩西駅でようやく富士山頂より低くなり、拉薩駅には定刻より15分ほど早い19時に到着。巨大な駅。ポタラ宮をまねたらしい。列車はほぼ満員状態だったようでかなりの人が降りてくる。ガイドは出口で名前を持って出迎えているはずとのことだが、どこにいるのか?。出口から更に50m程歩いたところにあるバスやタクシーの乗り場が出迎え場所みたいで、そこで名前を出しているガイドを発見し一安心。一緒にタクシーで宿に。

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2012年04月05日

チベット旅行記その2〜いよいよ青蔵鉄道に

乗る前に

 列車に乗る前にホテル近所でスーパー見つけて「杯」(お茶を入れるプラスチックの水筒)とお茶(リプトンのティーバッグ)を購入。これは列車に給湯器があるので中国の汽車旅の時には便利という知人の助言。確かに助かりました。水筒とお茶で合わせて20元くらい。フロントでレイトチェックアウトを交渉し、午後2時まで2時間延長勝ち取る。地下鉄で預園へ。雨が強くなってきたので雨宿りにかこつけて名物の小籠包をいただく。預園はシーズンオフは30元。中でお茶をいただいたが、温かいお茶を飲んだのに暖房のない土間で足の裏から冷え切ってしまい、いったんホテルに戻って暖まる。雨も降っていたし移動が面倒だったので市内のカフェで時間をつぶして6時頃にホテルで荷物をピックアップして地下鉄で上海駅へ。

いざラサ行き列車に

 駅では荷物は飛行機みたいにX線検査あるのだが、まともにチェックしているのかな(笑)。待合室は列車毎に設定されているが、軟座車両はそれとは別に専用の待合室がある。どちらも単にソファーが並んでいるだけで何があるわけでもなくおもしろくもない。軟座専用と一般の違いは混雑していないくらい。ただし軟座専用待合室は複数列車共通のためか、時間が近づくと呼び出し係?が呼び出しに来るが当然中国語だから何言っているのかわからない(笑)。なので、改札が始まるちょっと前にラサ行き専用の待合室にいって待つことに。駅構内、中国にも「鉄」な方はいるのか、鉄道模型売り場もあったりする。定刻30分ほど前に改札開始。雑多な流れに並んでプラットフォームへ。清潔感あり広いプラットフォームに旅情をそそる緑色の客車が待っていた。

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 指定された号車の車両に行けばベッドの場所は番号で示されている。ただしベッドにカーテンはないのでプライバシーは確保できない。検札が来て切符を渡すと上海新幹線のイラストの入ったベッドの番号が記載されたカードとラサ行き乗客専用の健康チェックシートが渡され、後者に記入して許可証を見せる。同室はボランティアとして6か月拉薩に行くという学生?さん。しばらく筆談と片言の英語で会話する。
 個室内には窓際のテーブルの下にACアウトレットが2つあるので、そのうち一つをいただきベッドの上段まで電源確保(中国式が1つと日本アメリカ式が1つずつある)。テーブルタップ持ってきて正解である(笑)。MacBookは持参したセキュリティワイヤーでベッド横の手すりにデイパックの持ち手の部分も通してくくりつける。ラサまでずっとこれで、列車内を動くときに身につけていたのはパスポート、携帯や財布などだけだったけど、列車内の治安は問題無い感じ。聞いていたとおり給湯器が各車両に1カ所あり、いつでも殺菌消毒された熱湯が手に入る。そういえば下段の人、列車内での食事はずっとカップラーメンだったみたいだ。
 南京を発車したあたりで腹減ったので食堂車に行ってみるが、サボっている職員と警官がたむろしている。例によって筆談で何ができるのかと聞いたら書かれたのは「麺」。もう何でも良いと思って麺とビールを頼む。出てきたのはあり合わせの材料?の卵と高菜が入った塩味の麺、10元。百度ビールが10元。POLICEの腕章つけた輩もサボってて、拉薩行くというと許可証あるのかと。あるよと見せる。でもってこいつらが禁煙なのにタバコ吸いまくること。中国でしんどいのはこれ。喫煙人口多いし喫煙者のマナー悪いのに閉口する。連結部分とかトイレとか至る所でタバコすってる人多い。だいたいゴルムドから先は酸素濃度も高いのに危ないって。
 たまたま鄭州に仕事で行くという日本人のおじさんが声をかけてくれた。いつも列車で鄭州に行くそうだが、ラサ行きに乗ったのは初めてと。一人でチベットに行くときいて驚いていた様子。徐州で反対側の上段、鄭州で下段も人が乗ってきてコンパートメントは満室に。寝台はけっこうあたたかく、停車や人が乗り込んできた折に目は覚めてしまうがこれはまあしょうがないか。
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 車中2日目は7時頃に目をさます。西の方に来たせいか7時とはいえまだ暗い。お茶を飲んで車内を探検してみる。私の車両は6号車で、5,6号車が軟座の寝台車(4人個室)、1−4号車が硬座寝台(6人個室)となっている様子。食堂車は7号車、8号車からは普通の座席車両(カオス的な状態なのでそれより後行く気起こらず。それより後がどうなっているかは知らぬ)。硬座寝台の廊下の席にはテーブルもあり軟座寝台より便利そうだ。トイレはいわゆるトルコ式(金隠しなし)と洋式とがある。飛行機同様真空吸引式。お菓子や弁当、朝はおかゆを売るカートもやってくる。乗っているのはほとんどが漢族と思われる(座席車両に行かなかったのでそちらの様子は分からないが、ラサ駅で降りてきた乗客にはチベット族も若干いた)。外国人は私だけと思われた。
 連結部分の天井には電光掲示板があり、外気温、速度、停車駅、次の停車駅の到着時刻と停車時間、諸々の案内(医者はゴルムドから拉薩までの区間にのみ乗車し3号車にいるとか、タバコすうなとか)が流れてる。一部はチベット語でも流れてる。なぜかゴルムドから先は速度と外気温表示が出なくなった。
 10時過ぎに西安に到着。シルクロードの入り口。ちょっと外に出てみる。ホームには物売りが色々で湯気をあげてるまんじゅう系などはなかなかうまそう。定刻30分ほど遅れて発車。土地広いのに超高層マンションがにょきにょきと建ち並んでいるのはやっぱりマンションへの憧れみたいなのがあるからだろうか。沿線から見る景色で目立つのは住宅があるところは裏庭とかちょっとした穴に放置されているごみが多いこと。これは沿線どこでも同じ。また、太陽熱温水器の普及の高さには目を見張られる。多くの家で屋根に載ってるし、高さの低いアパートでも強引?に下の階からパイプ引っ張って屋根に載せているのも(冬場はその間に冷え切ってしまうんじゃないだろうか。。)
 13時頃食堂車へ。手書きながら10品ほどあるメニューが出てきたのでチンジャオロースらしきものとご飯をいただき、本を読みつつのんびりすごす。日本ではなかなか味わえない食堂車のひととき。同行の本は100年以上前に日本人として初めてチベットに潜入した僧、河口慧海のチベット旅行記。彼がチベット入るための労力とは天と地ほどの違いあるけど、今でも外国人にとっては遠い地であること変わりない
 1時間ほど遅れて午後5時過ぎに蘭州着。ここで機関車を電気機関車からディーゼル機関車に交換。緯度的にはバンコクと同じくらいなのでまあ明るいこと。

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 蘭州発してしばらくしてから夕食のため再び食堂車へ。鶏肉、ナッツ、豆腐などを炒めたものをつまみにビール2本。動いてないからお腹減らない。
 次の停車駅、西寧西についたのは夜8時頃で定刻より40分くらい遅れ。日本人の6人組が乗り込んできて久々に日本語を聞く。なんでもエベレストの麓まで行くらしい。次のゴルムドでの停車に備えて早めに床に。そろそろ高地に入ったのか時々鼓膜がポコポコと感じる。

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2012年04月03日

チベット旅行〜現地での通信環境など

中国での携帯やネット環境について。チベットのラサでも携帯やネットの環境は上海などと同様。ネットのアクセスを制限している「金盾」もありどんな情報取られているか分からないから、メールその他各種ネットサービスのパスワードは全部出発前に変更した。

携帯
 中国語では携帯電話は「手机」というがよく考えられた言葉だと思う(笑)。持参した携帯は日本でも使っているiPhone 3GSとドコモのガラケー。中国ではiPhoneはデータローミング、MacBookProはホテルのWiFiを利用し、ドコモは確認のため一度電源を入れたのみ。データローミングはソフトバンクのマニュアルのとおり、キャリアを手動設定にしてChina Unicom/中国联通を利用。都市部では問題無いが列車に乗ってだんだん奥地に行くと、駅周辺でないと通じなくなる。一方で中国のドコモと言うべき中国移動はチベット高原の無人地帯にも社名入りのアンテナが立っており、青蔵鉄道車中でも中国人はしきりに電話していたから相当カバーしていると思われる。ちなみに普通のネットだと「金盾」にブロックされるツイッター、Facebook、FourSquare、GmailなどはiPhoneからのデータローミングだと金盾をバイパスされるのか?接続可(2012年2月時点)。日本と全く同じ環境である。
 携帯は上海滞在中にホテルのコンシェルジェに聞いたら、とにかくどっかで携帯の本体さえ買えばSIMカードはコンビニでも売ってるからそれ買えばいい、ってことで、
翻訳サイトに「一番安くて英語使えて国際電話のできる携帯ないか?」と入れて出てきた中国語のメモを持ってホテル近所の中国移動の店で筆談し、NOKIAのモデルが60元のSIMカードつけて358元と言うから買おうとしたが、国際電話出来るSIMカードはおいてないとのことで断念。

ホテルやカフェでのネットと金盾
 MacBookProを持ち込んだのでホテルでWiFiがあればそれを使った。カフェとかでもWiFi設置の店は多い。帰りの上海のホテルを除きホテルでのWiFiは無料だった。ローミングとの違いは、彼の地には「金盾」という中国政府というか共産党が国民に見せたくないサイトへのアクセスをブロックする「Great Firewall」が存在し、ネットのアクセスに制約があること。この金盾、単純にURLで特定のサイトへのアクセスを止めているだけではなく、検索用語とかも見てアクセスを止める。もちろんそれが日本語であろうと金盾がダメと判断したサイトには検索結果が表示されてもアクセスできない。例えば、
チベットの酒「チャン」は何からできてるんだと知りたくてヤフーから「チベット チャン 酒」で検索すると、やばい用語が入っているのか検索結果は出るが先のサイトがブロックされる。帰国して調べると「チャン族」という少数民族が居てここもまた何か問題を抱えてそうな感じである。ここまで徹底的にすることはある意味すごいし、一方でその労力をどっか別のところに使えばとも思う。Facebook、ツイッター、FourSquare、YouTube等は金盾で見事にブロック。Googleも検索は使えないし、Gmailはメーラーからの利用はダメだがWebブラウザからはいけた。Linkedinは利用可能。t.co.の短縮アドレスもブロックされる。2chは特に問題無い、あるスレに書き込みもしてみたができた。エロ系のBBS Pinkにも飛べた。ただし書き込みに貼られているリンク先に飛ぼうとすると余計なものが追加されてブロックされることがあるが、httpから始まるアドレスをコピーすれば突破可能。ニコニコ動画はYouTube同様ダメだった。

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2012年03月28日

チベット旅行の費用

今回の旅行費用の総額:約20万円。ただし、東京−上海のフライトはマイルを使ったのでなし。

・東京−上海フライトのサーチャージ等:約1.5万円

・寺院の入館料、ガイドの昼食含む食事代、交通費等:約2.5万円

・上海の旅行代理店を通じて手配した費用:USD 2,049(約16.2万円)
 チベット4泊5日地上費用 USD 1,131
  地上費用に含まれているのは、
  ・許可証手配
  ・ラサのガイド(日本語、8時半から18時までおよびラサ駅での出迎え)
  ・ホテル(ジョカン寺にも近い三ツ星のShambhala Hotel 4泊、朝食付)
 列車:USD201+手数料USD50(上海からラサ。軟座寝台上段)
 航空券:USD463+税金USD32
 (ラサから上海。中国東方航空FクラスのディスカウントだがYクラスより安かった。)
 上海のホテル(計2泊):USD 174 (人民広場のラディソンと錦江飯店)

これらとは別に、iPhoneのデータローミング費用が1日1,980円×9日分

ちなみに西遊旅行のツアーだと24万円くらいからありますね。
http://www.saiyu.co.jp/itinerary/new/GCCN77/index.html


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2012年03月27日

チベット旅行記その1 上海まで

 行きは成田から上海へ。出国審査前にに無人ゲートの利用登録。ここで書類記入して左右の人差し指の指紋を登録しておくとパスポートの有効期間中、日本の出入国に無人ゲートを使える。帰りの羽田で楽でした。詳細はこちら http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan63.html
 日本列島の景色見ながら上海へ。機内ではTIMEを鑑賞。定刻よりちょっと早く上海浦東空港(PVG)に到着。入国は以外にスムーズに。 空港での両替はレートが悪いというのでATMから新生銀行のキャッシュカードを使って下ろす。中国工商銀行、中国銀行、中国農業銀行などVISAか PlusマークのあるATMで使えるとのこと。空港で現地で使う携帯電話を買おうとして「上海空港 携帯電話」で探した「【ハウツー】上海国際空港の「ケータイ自販機」でプリペイド携帯を買う(前編) 」にあった携帯自販機を探すも2011年2月時点では携帯自販機はなく、ビジネスセンターの担当に聞いたら撤去されたとのこと。万博向けのサービスだったのかもしれません。
 リニアに乗って市内に。その前に窓口で「我要交通
」とボーディングパスに書いて100元札だして上海市版の Suicaを購入。デポジット20元引かれて80元チャージされる。リニアは40元。400キロ以上出るという話だったが最近抑制気味 なのか300キロどまり。地下鉄に乗り換え。地下鉄は中国語の看板と乗客の言葉やアナウンスを除けば日本みたい。皆スマホや携帯をいじっている。18時頃にホテル到着。フロントにて上海→ラサの切符、チベット入域許可証、ラサ→上海のフライトのEチケットを印刷したものなどを無事受領。

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 荷物を置いて南京東路を外灘へ。知人から聞いていたけど50mおきに「マッサージ」「女の子」ですり寄ってくるおっさんがウザイ。いらんっつーに。この 人混みはバブルの東京以上?!。お上りさん中国人も相当多い。どこに行ってもなんかこう独特の臭いがする。なんて形容したらいいのだろうか。。。
 晩飯は路地裏の店がなんか賑やかそうなので入ったが、メニュー選択失敗。アレは一体何だったんだろう。

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チベットに行くまで〜準備編

 手元に90年代初めに買ったと思われる「ウィンダム・ヒル チベット」という環境映像的なレーザーディスク(死語)がある。たぶんその頃から何となく興味は持っていたのだろうと思う。2006年夏に青蔵鉄道の開業を知り、その後、2007年1月に放送された、青蔵鉄道を特集したNHKの番組を見たときに「ああ、いつか行かないと」と何かが心に刻まれた気がする。
 具体的に検討を始めたのは2011年になってから。仕事の関係上休みを取れるタイミングとしては11月か2月、チベットの気候や中国の旧正月の日程を考えて、2012年2月をターゲットに設定。中国までの航空券は最初からマイルを使っていくつもりだったので、上海か北京に入り目的地をラサにして、片道を列車、帰りは飛行機でという旅程を考えると、土曜日から翌週の日曜日までをフルに使う8泊9日でもラサに4泊程度滞在できそうなことがわかった。

許可証
 中国自体はビザ無しで15日間は滞在できるがチベット自治区になると「チベット自治区入域許可証の取得」や「チベット滞在中のガイドの義務づけ」があり、現地旅行社による手配が必須となる。さらに行きたい場所によっては追加で許可証の取得が必要となる。建前上チベット自治区内ではガイド付きの団体旅行としていく必要があるのだが、時期によっては一人ででも手配を依頼すれば可能であり、実際私は一人であったが問題無く手配できた(もちろんガイド料は参加者で頭割りできない分割高になる)。
 また、チベット暦の重要行事の日や過去の事件の日の前後は許可証の発行が停止される傾向があるらしい。具体的にはチベット暦のお正月(例年1−2月頃)、3月5日(1959年のラサ蜂起の日)、3月10日(1988,89年にチベット独立の抗議行動が起きた日)あたりが集中する2月から3月にかけてなどは発行停止されることが多いとの情報もあり。実際、2012年は2月19日から3月31日まで発行が停止された。夏の観光シーズンはないだろうが、秋から冬にかけての訪問を考えている場合は、現地の旅行代理店に聞いたりやチベット旅行者のための状況説明書(ダライ・ラマ法王駐日代表部訳)などをあらかじめ読んで検討すると良いと思われる。

旅程検討
 情報源は中国の鉄道旅行みたいなのをキーワードにして探すと、第3/4 国際列車というサイトに遭遇し、ここのおすすめサイト集が重宝した。また、WikipediaOK旅行网火车时刻表を利用してルートを検討した。OK旅行网火车时刻表は中国語のみだが「出发站」に出発地、「目的站」に目的地の英文読み(最初の数文字入れれば候補が出る)入れて右の「站站查询」をクリックすれば検索可能なので便利。
 日本から出ているツアーは上海か北京に飛んで国内線に乗り継いで西寧あたりから乗ることが多いようで、西安、成都、蘭州、西寧あたりから乗ることも考えたが、飛行機乗り継いでも上海あるいは北京から列車移動でも結局ラサ着は3日目なので行きは始発から終点まで全部乗ってみるかと考えたことと、上海・北京発の方がチケットやチベット入域許可書とかの手配も便利そうと思ったので、上海もしくは北京から乗ることにした。一方、ラサから北京や上海に行く列車に乗る方がチベット高原を日中に走る時間帯が長いことやチケットが取りやすいとの情報もあったが、いきなり富士山頂レベルのラサに行くのは20年前のペリーのリマ→クスコ(海抜0mから3,000m)を飛行機で移動したときにクスコでかかった高度順応の期間を考えると厳しいだろうと思いこの選択肢は捨てた。
 次の選択は北京、上海、広州どこから乗るかだが、検討当時、上海発列車のゴルムド発時刻(午前5時台)、ラサ到着時刻(20時台)を考えるとチベット高原の日中の景色を楽しめる時間が長いと思われたので、上海発に決めた。中国は全て北京時間だが、ゴルムドやラサはミャンマーあたりと同経度なので、北京から2時間遅れ位の感覚。実際滞在中のラサの夜明けは8時頃、日が暮れるのは20時頃だった。

上海の代理店を探して手配を依頼
 使ったのは第3/4 国際列車でも紹介されていた上海の代理店Southern Breeze 南風旅游(第3/4 国際列車おすすめサイト集からのリンクではたどり着けなかったので検索して見つけた)。ここは日通がやっているペリカントラベルというサイトにも出店していて、Southern Breezeで直接手配すると円建て銀行振込、ペリカントラベル経由であればドル建てカード払いであったので、手配窓口としてはペリカントラベルを使うことにし、メールでやりとりを開始したのが2011年9月頃。
 手配を正式に依頼したのは11月末頃で、何度かのメールのやりとりの末12月末頃までには、10日前発売の列車の切符以外の手配は完了との連絡があった。2月になってから列車の手配も完了したとの連絡があり(軟座寝台の上段指定)、この時点で費用をカードで決済。
 一安心したものつかの間、出発数日前に日経に「成都でチベット入域許可書発行停止」との報道が。慌てて代理店に電話し、すでに発行されている許可書については有効とのことが確認できて安心。なお、日本からのツアーを多く手がけている西遊旅行のサイトには1月19日付で、2月19日から3月31日まではチベット入域許可書発行停止のためチベットツアーの募集を停止するとの告知が出ていたのを見つけたのはこの記事見てからであった。

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